1 趣 旨

 

私たちの住む和歌の浦一帯は、国の名勝指定を受け、平成294月には、日本遺産 絶景の宝庫 和歌の浦に認定されましたが、人口の減少や少子高齢化の影響により、地域コミュニティは衰退する傾向にあります。このままでは、地域コミュニティが担ってきた役割である災害への備え、見守りによる防犯活動、地域の歴史・文化を学ぶ機会などが充分に機能しなくなる懸念があります。

 

私たちは和歌の浦一帯の財産である、万葉の時代から愛されてきた美しい景観、歴史的・文化的に重要な史跡の研究と保全活動、地域の魅力の情報発信を、行政に頼るばかりではなく、そこに住む市民自らが主体的に考え活動することが、地域コミュニティの活性化、地域に住む人たちの郷土愛の醸成、地域を訪れる人の満足度の向上につながるのではないかと考えました。これらの取組みにより、地域の活性化、観光の振興を図り、次の世代に景観、歴史、文化を伝えていきたいと考えています。これらの今の活動をさらに発展させていくため、法人化を検討することになりました。 

 

2 申請に至るまでの経過

 

これまでは「名勝和歌の浦 玉津島保存会」は、文化財講座を開催して書籍『文化財担当者と学ぶ名勝和歌の浦』にまとめ、県内の図書館等に無償配布したほか、「トンガの鼻自然クラブ」は、雑賀崎地区のトンガの鼻と呼ばれる台場遺跡までの道の整備や保全活動の実施、トンガの鼻周辺の美化活動、海岸の美化や磯の観察会の実施、「水軒の浜に松を植える会」は、不法占拠や大型ごみが捨てられた水軒堤防での清掃活動、水軒堤防付近での西浜中学校と市民による松の植樹の実施、各団体と協力して『名勝和歌の浦 さくら祭り』、『名勝和歌の浦 観月祭 竹燈夜in妹背山』、『夕日を見る会』などのイベントを実施、和歌浦地区での月2回の地域の清掃活動などをそれぞれの団体で行ってきましたが、地域を愛し、歴史、文化を次の世代に伝えていくという共通の目標達成のために「つながる歴史遺産」をキーワードに、協力して活動していくことになりました。

 

そして、日本遺産 絶景の宝庫 和歌の浦において、これらの活動を持続的に続けていくためには、より多くの仲間たちを集めオープンな活動にしていくことが必要です。そのためには、この活動主体である任意団体に、社会に認められた非営利活動を行う法人格を与えることで、私たちの活動がより多くの地域、そしてより多くの人々に受け入れられるのではないかと考えるに至りました。よってここに特定非営利活動法人を設立して広く展開していこうとするものです。

 

 

 

 

 

平成30年7月16日  

 

特定非営利活動法人和歌の浦 自然・歴史・文化支援機構